本場鹿児島の焼酎専門店「焼酎のひご屋 本店」

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アンフォラ

先日から取り扱いを開始した西山酒造場のプラムトニック梅申

箱から取り出してまず目を引くのは特徴的なボトルの形と、そのなかにゴロゴロ入った大粒の梅!

この特徴的な容器の形は「アンフォラ」といいます。

アンフォラは、古代ギリシャやローマなど、地中海沿岸の地域で広く使われていた貯蔵・運搬用の壺。

2つの持ち手とくびれのある胴体が特徴です。

ブドウ、オリーブオイル、ワイン、植物油、オリーブ、穀物、魚などの必需品を貯蔵・運搬するのに用いられていました。

アンフォラは陶器なので割れやすいという欠点があったためでしょうか、ワインなど液体の運搬は、家畜の背中に皮袋をくくりつけて運ぶという運搬方法もとられるようになります。

アンフォラが最も実用的に使われていたのは紀元前6世紀から紀元前4世紀頃。

聖書の中の有名な一節、「新しきブドウ酒は新しき皮袋に…」という言葉があるように、キリストの時代には、古代ローマではワインの運搬に皮袋を使っていたようです。

ただ、皮袋が登場してからも、海上輸送ではアンフォラが用いられていました。

 

ところが3世紀頃、ケルト人の文化がローマにはいってくると、木でできた樽がアンフォラや皮袋にとってかわります。

木の樽は頑丈で、転がしたり積み上げたりできるので運搬・貯蔵に優れており、また、香りがよくなったり熟成がすすむなど、酒質の面でもいいことがあります。

アンフォラの実用的な容器としての役割はこの時期に終わり、表面に模様や絵を描いた儀式用や装飾用の壺として7世紀頃まで地中海世界に残ります。

アンフォラという容器は消えましたが、「アンフォラ」という言葉は残ります。

アンフォラが盛んに使われていた頃、古代ローマ帝国はアンフォラの規格を統一、ワインのアンフォラでは「1アンフォラ」が39リットルというように、容量の単位になりました。

日本でいうところの「1合、1升、1斗、1石」といった単位のようなものでしょうか。

 

その後、アンフォラという単位は容量の単位からさらに意味を変え、ラテン語圏では商船による商取引の単位として使われていたそうです。

 

また、諸説あるようですが、「アンフォラ」は記号化され、「@」へと形を変えました。(壺を上から見下ろした形を図案化したという説も?)

「@」は会計記号として使われ、使用例としては16世紀の商取引の明細書が残されているようです。

 

会計記号としての「@」も使われなくなり、この世からほとんど消えかけていた1971年、アメリカで電子メール開発者、レイ・トムリンソンが「@」を採用します。

めったに使われない記号で、ほかと重なることがないというのも「@」を用いた理由の一つだったとか。

今では、メールアドレスやツイッターアカウントなどで目にしない日はありません。

(「アットマーク」という読み方は日本語で、英語では「commercial At」というのが正式名称。通常は「at sign」や、単に「at」と読むそうです)

アンフォラボトルについて調べてみたら思いがけずに深い歴史を知ることができました。