●明治３８年（1905年）創業の大山酒造は鹿児島県北部・伊佐市菱刈荒田にあります。
田園地帯にひろがる集落のなかにあります。

●蔵では手間ひまかけた手作業を中心に焼酎造りをされています。

昔ながらの方法で「甑（こしき）」を使って麹米を蒸し上げています。
そのため麹米は国産米ではなく昔ながらの「タイ米（長粒米）」です。

この麹米を木箱に移し、温度が下がったところで麹室で麹菌を手揉みで米に植付ける・・全て人力で、大変な作業です。

そして瓶詰めは手動式の機械により１本１本瓶詰めし ラベルも一枚ずつ丁寧に手作業で貼られるそうです。

●「巨万の富（きょまんのとみ）」は、栗黄金芋の白麹仕込みとハマコマチ芋の黒麹仕込で仕込んだ原酒をブレンド してつくられました。

大山酒造は個性的な酒名の芋焼酎を次々と発売していますが、今回の「巨万の富」については蔵元に問い合わせました。

　　※蔵からの回答の要旨は、
　　この焼酎は、栗黄金芋の白麹仕込みとハマコマチ芋の黒麹仕込で
　　仕込んだ原酒をブレンドした華やかなトロピカル風味の芋焼酎です。
　　夏の焼酎にそぐわないネーミングとラベルカラー・・・
　　しかし、飲んだら夏を満喫！
　　そして、「キョマンノトミ」「キョマンノトミ」と口ずさむと運気アゲアゲに・・・

　　※「栗黄金」芋は生育が難しく鹿児島でも生産量が少ないので
　　　幻の芋と呼ばれています。
　　　澱粉質が上質で香りもよく甘味があって、外見は黄金千貫と
　　　さほど変わりませんが、輪切りにすると黄色っぽい、夕焼け空の
　　　ようなきれいな色をしています。
　　　畑で生育時、芋の葉の先がエンジ色をしている点も、普通の芋
　　　とは違います。

興味津々で試飲しました。

　　○グラスに注ぐと、穏やかでシッカリした芋の甘い香が漂います。
　　　芋の香りと甘い香りが交互に漂ってくる感じです。
　　○口に含むと、ふくらみのある旨み甘みが広がります。
　　　クセがなくスムーズに喉をとおります。
　　　蔵から「華やかなトロピカル風味」との説明をうけましたが、同様の印象
　　　をうけました。酒質は本格派で軽くはありませんが飲みやすいです。
　　　旨みが余韻を残します。
　　○ロック、水割り、お湯割り・・・と何でもいけます。